様々な漢方について①
高麗人参
原産地は中国の遼東から朝鮮半島にかけての地域とされ、中国東北部やロシア沿海州にかけて自生する。現在、全体の70%以上が韓国と中国で栽培されていますが、日本でも江戸時代から栽培されています。中国東北部では棒槌(ぼうつい)とも呼ばれます。
日本では古くから「朝鮮人参」と呼ばれてきましたが、韓国においては単に「人参」(正確には「人蔘」)(インサム)と呼びます。韓国ではニンジンは「唐根」(タングン)と呼び、明確に区別します。土産物用、輸出用の人参製品には「高麗人参」(コリョインサム)と表記されるが、これは現在の韓国で「朝鮮」という呼称を忌避しているためです。
なお、「高麗」はかつて朝鮮に存在した統一王朝の名称であり、公式には高麗時代から栽培が始まったと考えられるため、「高麗人参」と呼ぶという説明がなされています。
戦後、日本の人参取扱業者は輸入元の韓国に配慮し、「朝鮮」の語を避けて「薬用人参」と専ら称してきたが、「薬用」の名称が薬事法に抵触するとする行政指導を受け、呼称を「高麗人参」に切り替えました。「高麗人参」の呼称は当初なじみが薄かったものの、現在では消費者にも広く普及しています。
「御種人参」の名は、江戸幕府の八代将軍徳川吉宗が対馬藩に命じて試植。その後各地の大名に種を分け栽培を奨励したことに由来すると伝えられています。